体外受精後の女性の飲酒量と出産率について

体外受精後の女性の飲酒量と出産率についての文献をご紹介いたします。

この研究の目的は、体外受精を続けている女性の間で飲酒量が与える影響について調べたもので民間のIVFセンターで行われた研究となります。女性たちは、最初のIVFサイクルの前に自己管理に関するアンケートへ答えており、そこには、私生活での飲酒量も含まれていました。

女性たちは、1週間ごとの飲酒量に加えて次のグループに分類されました。

 

・普段からお酒を飲まない

・付き合い程度にお酒を飲む

・毎晩お酒を飲む

 

飲酒量ごとに階層化され、6サイクル後の出産の累積発生率を競合リスク分析により計算したものです。

主な結果には、自然流産、臨床的な妊娠、IVF後の出産が含まれます。

アンケートの回答状況(合計:2,134サンプル)は、次の通りです。

 

・普段からお酒を飲まない:591サンプル(27.7%)

・付き合い程度にお酒を飲む:1,466サンプル(68.7%)

・毎晩お酒を飲む:77サンプル(3.6%)

 

最初のサイクルで、「普段からお酒を飲まないグループ」と「毎晩お酒を飲むグループ」を比較すると全てのサイクルが始まる間に自然流産のリスクは2倍増え、出産率は30%低くなっていましたが、サンプル数は少なく、有意に低い傾向は見られなかったようです。

6サイクルの終わりまでに、「付き合い程度にお酒を飲むグループ」と「毎晩お酒を飲むグループ」は、「普段からお酒を飲まないグループ」と出産の累積発現率が似ており、毎晩お酒を飲むグループには、出産のリスクが低くなる傾向が見られました。

毎晩飲むグループは、初めの周期での自然流産のリスクが高まったが、その数は小さかったという報告となっていました。

参考までに、今では当たり前のように楽しんでお酒を飲まれていますが、昔は女性が飲酒することはあまり一般的ではなく、1954年に国税庁が実施した「酒類に関する世論調査」では、女性の飲酒者は13%に過ぎませんでした!

しかし、女性の社会進出とともに女性の飲酒も普通になり、2008年に行われた全国調査では、20代前半の年代ではついに女性が男性を上回っている結果になっています。

今回の研究ではサンプル数が少なさからか、優位な差は見られなかったようですが、今後、飲酒量との関係が見出されることとを期待しております。

 

(出典)

Dodge、LE、Missmer、SA、Thornton、KL et al。J Assist Reprod Genet(2017)。doi:10.1007 / s10815-017-0923-5

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