着床前遺伝子診断を行うことで
体外受精後、着床前遺伝子診断(PGS)を行うことで着床及び出産が改善
体外受精後、着床前遺伝子診断(PGS)を行うことで、40歳から43歳までの女性の着床及び出産が改善することについて研究した記事がありましたのでご紹介します。
体外受精は不妊治療で有効な治療法です。しかし、37歳以上の女性は、染色体異常を持った胚が生まれる可能性が高く、着床障害、流産率または染色体異常をも持った子供が生まれる割合が高い事から比較的低い成功率になっています。
こうした事から、40歳から43歳までの患者へ着床前遺伝子診断を行わず移植した場合の出生や流産の割合を実施したケースと比べています。
検査していない胚に栄養外胚葉の生検とアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーションを使用して倍数性の胚を比較するという既往の統計研究のです。
2011年1月1日から2012年12月31日までの期間に採卵を行なった、40歳から43歳までの女性患者へ従来のフレッシュ体外受精サイクルによる5日目の胚移植、PGSの有無による凍結胚移植サイクルにおける妊娠の経過・結果を比較しました。
凍結胚移植サイクル(50.9%)で正倍数性の胚を移植した時の着床率は、フレッシュ(50.9%)または凍結胚移植サイクル(25.4%)の検査を行わずに移植するよりも有意に高い結果になった。
PGSを行なった後(45.5%)の移植胚あたりの出生率は、PGS行なっていないフレッシュ(15.8%)または凍結胚移植(19.0%)よりも有意に高い結果になりました。
着床嚢あたりの出生率はPGSあり凍結胚移植(89.3 %)となり、PGSなしフレッシュサイクル(66.7%)及び凍結胚移植サイクル(75.0%)は、有意な違いはなかった。
出典:Journal of Assisted Reproduction and Genetics / In vitro fertilization with preimplantation genetic screening improves implantation and live birth in women age 40 through 43